皆さん、こんにちは。
学芸大学・祐天寺エリアでパーソナルトレーニングジムLINKを運営しております、トレーナーの氏家知樹です。
あなたは、1日何回呼吸しているか知っていますか??
約2万回呼吸しています。
もし、呼吸の機能がおかしくなっているとしたらどうなるでしょうか?
極端な言い方だと2万回間違った運動を行っていることになるで身体にはいろんなことが起きてくるような気がしてきませんか?
今回の記事では、「呼吸が乱れてしまった場合の、身体に及ぼす影響」や「呼吸を改善する方法」等盛りだくさんの内容になっています。
皆さんの参考になれば幸いです。
目次
呼吸が乱れるとどうなるのか?
呼吸が乱れると、主に以下3つのことが起こります。
- 身体の慢性的なコリや痛みがとれない
- 精神状態の悪化
- 腹圧の低下による身体の機能低下
呼吸が原因で不調になっていたとしてもトレーニングで改善することもありますが、基本的には呼吸が原因のコリや痛みや身体の機能低下はトレーニングでは改善しにくいと思ってください。
実際に呼吸が乱れていることでトレーニングを長く行っているのに効果がでなかったり、トレーニングすると調子が悪くなる人もいます。
そのため、しっかりと原因を解明してのアプローチをしていくことがプロの仕事だと私は思っています。
呼吸の乱れはスポーツパフォーマンスにも影響
呼吸の乱れはスポーツパフォーマンスにも影響します。
呼吸が乱れることで横隔膜の機能不全や腹圧の低下が起きることで体幹の機能も低下します。
横隔膜の機能が低下すると肋骨が硬くなってしまい回旋(捻じる)の動きがでなくなってしまいます。
ゴルフならトップで肩がはいらなかったり、フィニッシュが上手くとれないなどが起きます。
野球なら投げる時や打つ時の開き速くなるなどがおきます。
腹圧の低下も起こる為、姿勢が悪くなり四肢の動きにも影響します。
腕や脚を動かす場合、腹圧がしっかり機能していないと肩や腰痛、膝などを痛めてしまう可能性が高くなります。
3つの間違った呼吸とは?
では、正しくない呼吸とはなにでしょうか?
大きく分けると以下3つが多いパターンです。
- 鼻呼吸が上手く出来ない
- 肩で息を吸っている
- パラドックス呼吸
鼻呼吸が上手く出来ない
鼻呼吸が上手くできないとは、「口呼吸がメインとなってしまって、鼻で呼吸が上手く出来なくなっている状態」のことを指します。
口呼吸がメインになると顎関節が不安定な状態になるため、猫背姿勢になってしまいます。
また喉も乾燥しやすくなるため、風邪を引きやすくなります。
肩で息を吸っている
鼻呼吸で呼吸してくださいとお願いすると「肩をすくめる動き」が見られる場合があります。
肩をすくめるというということは呼吸をする度に呼吸補助筋である僧帽筋上部や胸鎖乳突筋などの筋肉を使うため、肩こりや首こりになりやすいです。
パラドックス呼吸
パラドックス呼吸とは「お腹と胸が呼吸するとバラバラに動いてしまうこと」です。
間違った呼吸は上記の様なデメリットもありますが、恐ろしいのは「呼吸が乱れていることに本人は気づきにくい」ということです。
呼吸が乱れた状態でトレーニングをしても、効果が出ない人は沢山います。
実際に私のクライアントの方も、ジムでのトレーニング量は十分にも関わらず、すぐ疲れてしまったり、姿勢も改善しない方もいらっしゃいます。
余談ですが、この方には呼吸エクササイズだけしてもらうことで姿勢の改善と肩こりが緩和したりと、いい変化が呼吸エクササイズ後に見られました。
3つの呼吸について解説
次に3つの呼吸について解説します。
腹式呼吸
腹式呼吸は、お腹全体を膨らませる感じで息を吸って、吐く時はお腹をペッタンコにする様に息を吐きます。
腹式呼吸は、腹横筋をアクティベートしてくれます。
お腹全体(前,横,後)を膨らませる意識でやりましょう。(腹筋に力を入れないで下さい)
イメージはお腹に風船を膨らませる感じです。
胸式呼吸
胸式呼吸は、肋骨を動かすイメージをしながら呼吸を行います。
胸式呼吸では、横隔膜を動かして胸郭の動きをトレーニングします。
息を吸う時には、肋骨の横から後ろにかけて膨らませるイメージで、息を吐く時には肋骨を締める様に吐きましょう。
肋骨を内旋させる呼吸
肋骨を内旋(肋骨を下げる動き)は胸式呼吸で息を吐く時に肋骨をしっかりと締める様に動かしていきましょう。
呼吸する時に肋骨に手を当ててエクササイズると肋骨の動きがわかりやすいです。
デスクワークや運動不足などで呼吸が浅くなっている人が多いため,息を吐く時に肋骨を締める動きが出来ない人が多いです。
肋骨が動かなくなれば呼吸も浅くなり、疲れやすくなったり、猫背や反り腰など姿勢が悪くなります。
努力呼吸
努力呼吸について、簡単に説明します。
とりあえず思いっきり100mダッシュして息あげてください。
走り切った後に「はぁはぁ」と肩で息を吸う場面があります。
これが努力呼吸です。
体が酸素を至急送ってくれー!!という時に努力呼吸が行われます。
細かい話になりますが、安静時でもこの努力呼吸のパターンも使って呼吸している人も多いです。
安静時なら腹式呼吸がメインで機能するはずが、普段がデスクワークなどで呼吸が浅くなっているため、普段の呼吸でも努力呼吸が行われているケースがあります。
努力呼吸の見分け方は、仰向けに寝た状態で優しく呼吸し、お腹が膨らまずに、肩をすくめるような動きになっていたり肋骨が動かない呼吸です。
呼吸エクササイズでZOAを獲得する
ZOAとは、Zone of Appositionの略語です。
ZOAは、横隔膜の動きと肋骨の向いている方向やポジションの関係を表したものと言われています。
つまり、肋骨のポジションが開いてしまい反り腰の姿勢になるとZOAが保て無くなってしまうため、横隔膜が呼吸時に動かなくなってしまい正常な呼吸が出来なくなってしまい浅い呼吸になります。
浅い呼吸になれば交感神経が優位になってしまい体が緊張してくるため、慢性的な肩こりや腰痛になりやすくなります。
ZOAを獲得することが体調を改善し姿勢を改善するためには必要です。
ZOAを獲得するためにまずは肋骨を息を吐いて下げれる様にしましょう。
肋骨を触りながら呼吸エクササイズを行うとわかりやすいです。
2つの腹式呼吸エクササイズ
呼吸とは意識的に行うものではなく、身体の状況や環境・場面によって、「腹式呼吸、胸式呼吸、努力呼吸」を身体が勝手に切り替えてくれます。
最近だと、大半の方はデスクワークや過度なトレーニングで、「背中、腰が緊張している方」が多いので「腹式呼吸」を促すエクササイズを2つ紹介します。
今回の呼吸エクササイズの目的は『呼吸の機能を取り戻す』です!
あお向け呼吸
まずは「あお向け呼吸」のやり方をご紹介します。
- 仰向けに寝ます
- 優しい鼻呼吸を行います(吸う時は鼻で、吐く時は口で吐きましょう)
- 鼻で吸って(10秒):この時に横と後ろの肋骨が膨らむようにチェック
- 口で吐いて(10秒):肋骨が締まる様に動いているかチェック
- 息をとめる(10秒):肩に力が入らないように
このサイクルを1〜5サイクル続けます。
苦しい時は5秒〜等、できる秒数で行ってください。
※注意点
呼吸音がしないようにしてください。
吸う時にや吐く時にスゥーとかの呼吸音しない優しい呼吸で呼吸を行ってください。
最近だとピラティスやヨガを経験されている方が多いため、強い呼吸には慣れているものの、優しい呼吸が出来ない方も多いです。
四つん這い呼吸
四つん這い呼吸とは、背中に空気を入れる感覚を掴むため呼吸エクササイズです。
やり方は以下になります。
- ①四つん這いになって肘と膝がタッチするくらいの姿勢になります
- ②この姿勢から背中を丸くして上記の呼吸行います
この姿勢で息を吸うと背中側に空気が入り込んでくる感覚がわかると思います。
上記を1〜5サイクル行ってください。
このエクササイズでは、呼吸を使って「背中と腰の緊張」を緩和させることで、腹横筋などの姿勢保持筋をしっかりと機能させることを目的としています。
これができると背中のトレーニングも効かせやすくなります。
最後に
いかがだったでしょうか?
本記事では呼吸についてまとめました。
呼吸乱れていた場合、どんなにしっかりケアやトレーニングをやっていても効果は半減してしまいます。(半減するというのに根拠はありません。あくまでイメージです)
あなたが身体の状態を改善していきたい場合は、必ず「呼吸」に対してもアプローチして下さい。スポーツパフォーマンスも同様です。
ウエイトトレーニングや動作改善などのトレーニングも大切ですが、ぜひ呼吸にも目を向けてください。
皆さんも今一度、これらを見直して普段の筋トレやダイエット、健康な体作りに取り組んでみてください。
最後になりますが、
私がオーナーを務める「パーソナルトレーニングジムLINK 学芸大学」は、「体の不調改善とボディメイクを同時に行えるパーソナルジム」として、たくさんの方々の体つくりをサポートさせて頂いております。
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皆さんの体作りの発展、そして是非LINKでお会いできる日を楽しみにしております。
それではまた次の記事で!
参考書籍①:大貫崇「きほんの呼吸」, 東洋出版, 2019年11月20日
参考書籍②:森本貴義、大貫崇 「勝利の呼吸法」, ワニブックス, 2016年4月8日
参考書籍③:森本貴義、近藤拓人 「新しい呼吸の教科書」, ワニブックス, 2018年5月24日